伊藤君は「豆は一般的な化学肥料と農薬を使った栽培では反当たり3俵(180kg)」という。今年の私達の平均は2俵ほど確かに少ない。
しかし昨年の様な冷夏では日本一の豆産地の十勝地方や、オホ−ツク地方では20%〜30%、悪い所で50%の減収だったのに対し、私達は例年と同じか、少し良い収量になった。

15cm位になるまで機械で5、6回除草する。
その後は真夏の中、すべて手作業による除草という厳しい時期を迎える。
豆問屋のプロにサンプルを送った所「大きさも形も実に素晴らしい。自然農法でよくこんな立派な豆が出来ましたね。ぜひ可能な限り卸して下さい」といわれビックリ。
土壌が完成している所では天候をもクリア−するほどのパワ−が秘められているのだ。完成されている土地ではスプ−ン一杯に何億もの微生物が住んでいて、彼らの分泌する酵素によって栄養素が十分に作物全体に行き渡り、また作物の栄養素が微生物に還元されて行くという良循環が形成されるらしい。
農薬や化学肥料は強制的に栄養を与え、微生物が偏食的な過食状態を作りだし、農薬(特に除草剤は最悪で、一回で殺虫剤や殺菌剤の何倍もの毒性がある)は微生物を殺してしまう。
確かに化学的な力によって強制的に収量や大きな形ができるが、土壌劣化や病害虫は年々ひどくなってくるので、昨年よりももっと強い農薬を開発したり、多く化学肥料を使うことになる。作物の栄養価(ビタミンやミネラル)も年々減少し、さらに地下水汚染が全国的に深刻になってきている。もはや安全な水道水はどこにもないだろう。

8月、暑さと雨でグングン伸びて葉が広がり、
一番勢いが良い。
株間が見えなくなるほど葉が成長し陽光を集め、
豆の花が咲き出す。
輸入農産物もそうだが「市場価値」という業界のものさしがある。高度成長に入った頃から「消費者は奇麗な色や均一な形のものでなければ満足しない」という表面的な選別によって価格が決まってしまう様になった。
「ほうれん草の高さは○○センチ」「虫食い野菜は価値がない」「根物野菜はM〜2Lまでしか商品価値はない」「皮の色が悪い果物は価値がない」etc・・・・・。
大量生産−大量消費は消費者にとっては価格が安くなるのは良いが、食べ物への感謝がなくなる、残渣物としてのゴミの増加、過食や農薬によるによる病人化・肥満化等の問題がある。
また、生産者もより市場価値のある作物を作る為に、機械化や施設の設備費の増大、大量収穫による価格の低下による収入減の不安、後継者や働き手の不足、肥料や農薬代の増加など負担も大きい。
間に立つ巨大組織だけが私にはホクホク顔に見える。確かある本で「日本の耕地面積は世界の2.5%だが、単位面積当たり農薬使用量は日本は世界の25%も使用している。アメリカの5倍」と書いてあった。
「国内産は安全」というマスコミ報道にはポストハ−ベスト農薬(収穫後の農薬散布)以外大きな矛盾が隠されている。地元では「変人」扱いされている私達だが、実態を知らずに歴史的に食文化を考えない人達の方が変人に思える。
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