小清水町は北見より3度は温度が低い。
特に千葉さんの畑は気流が変わりやすい場所なのだ。
その関係で、急に曇ったり、雨が降り出したりと、変動が激しく北見と比べて日照時間も少ない。
真夏でも夕方からは急激に風向きが変わったり、風が冷たくなったりするという。数年前に「北見や訓子府は羨ましいね」と呟いた事がある。
そういう地域性の為に有機肥料には特別に気を使う。
土壌と作物の関係、その土地の気候、温度や湿度の想定、収穫までの降雨量の想定、他の畑との作業プロセスの想定、などいろんな角度から肥料設計や準備を考えなければならない。
JAS有機圃場面積は2,6ha(7,800坪)、ふきのとう自然農園の約2倍です。有機資材は木工場から木屑を細かくしたチップや、お米の栽培生産者からの米ぬか、近くの親戚の牛糞などを充分に醗酵させてから使う。
土壌は人間のお腹と同じで、良性微生物が多く活性するほどミネラルや酵素が生成され、人間の血液と同じ様に生命力のある活性した「未知のエネルギー」が充満されて行く世界です。
「臭い未熟な堆肥は、かえって土壌の為に良くない!人間でいえば良く噛まないでお腹に詰め込む様なものです。微生物を入れて充分醗酵させ、完熟させてから畑に入れます」千葉さんは土壌生理を、人間のお腹と同じに理解している。
緑肥やボカシなど反当3t〜4tを投入する。
「寒い地域はそれ位入れないと、なかなか肥大化しない難しさがあるんです。特に玉ねぎは難しいんです。」
20年頑張ってきたご夫婦には、低温や大雨、台風、旱魃などで痛い思いをしてきた事が何度かあります。
私の様な豆だけなら無肥料でもできるでしょう。(伊藤君の長年の土作りの上で、ただ草をとっているだけですが)
日照率「日本一」という恵まれた自然環境の恩恵が、小清水町と違ってつくずくありがたい想いが湧き出てきた。
時には作物が全滅して、種代、肥料代、人件費(でめん代)、機械代、などで1千万円近くも損をした事も何度かある事を私は知っている。
1年間の労苦が無駄になり、どれだけ悲しく、虚しく、儚い気持ちになっただろうか?
何もない畑にたたずみ、寒風にさらされて涙を流した事もあるでしょう。
1,5haという彼から見たら1/20の面積で豆類を栽培している自分だが、この5年の歳月の中にも冷夏や旱魃、猛暑肉体的な辛さで苦しい思いがなんどかあります。
当時は販売するだけで、理論だけ生産者に話しをした事もありますが、こうして体験し、時々お会いして何度か酒を酌み交わした時にも、一度も千葉さんの口からは弱音や泣き言を聞いたことはない。
理論や理屈だけで話していた自分が今は恥ずかしく思う。
静かにグラスを飲み干す寡黙な彼の胸中には、きっと「周りの生産者が作物を全滅させる様な事があっても、オレは作るぞ!」という内面からのオーラを感じさせる{静}の中に燃え上がる{動}を見た!

有機のたまねぎ、大小いろいろありますがM玉〜2Lが多い感じだ

かぼちゃ畑も元気良く葉を広げている。これからが勝負だ、頑張れ!

手前にあったソフトボール大のかぼちゃ、3日間の連続した雨で畑の中には入れなかった
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北見から車で90分、網走の近くに「小清水町」という小さな町がある。そこに父の代から50年「土作り」をしている「千葉教(さとし)氏」がいます。農業を始めて20年、地元で数少ない「有機JAS認定農家」です。
今年の有機JAS作物は「玉ねぎ、北あかり、とうや、かぼちゃ」の4種類ですが、彼のメークイン(殺虫剤は2回使用、除草剤は無使用)も毎年すごい人気で、私も彼のメークイン以上の味は知らない。
お父さんはその昔、自分で作った自信ある野菜を車で移動販売をしていました。
地元では昔から「千葉野菜」として有名です。
ふきのとうへ野菜を卸してもらってから早18年が経ちます。
開店当時オーリングテストの先生から「千葉さんの野菜は凄いパワーがあるんですよ。札幌の市場へ入ってくる野菜の中でも群を抜いています。おそらく網走管内でトップクラスでしょう」とご紹介を受けて、畑を見せてもらいに行ったのが18年前。
180センチ近いスタイル抜群の好青年で、当時小さな子供さんが3人おられ隣にいた奥様のゆかりさんは女子高校生の様なかわいらしさで、妻と「エッ」と驚いた事が昨日のようです。
今でもお二人とも10近く若く見えます。
当時、単に無農薬、低農薬という時代で、何がどこまで低農薬かマスコミでも議論になっていた時代です。
小清水町は海に近い為に風が冷たく、温度も低い町です。
「自分では理想的な肥料設計でも、温度や湿度で初期に殺虫剤や雑菌剤を使う場合もあります。しかし、除草剤だけはほとんど使いません」と言っていた。千葉さんの野菜は初期の段階で弱い農薬を数回使っても残留農薬がほとんど出ません。
土作りをしっかりしていれば、初期の段階で農薬を使用したとしても風や雨で土壌に落ち、土壌微生物が分解してくれます。
しかし、今まで化学肥料や強い農薬を垂れ流してきた土壌では、無農薬栽培しても過去の農薬が吸収されてしまいます。
本当のプロは土から上の作物を見るのではなく、土壌の中の微生物を常に研究しています。千葉さんは寡黙な人ですが、地元でも有名実直な人で若いときから生産組合の役員をしながら「自分が満足した野菜でないと、卸したくないんです」と、有機農業の話になると怖い位に目が真剣になります。
「自分の家で食べるから」
「本州の親戚に送りたいから」
秋の収穫時には近所の生産者が、ジャガイモや玉ねぎを買いに彼の家にやってくる。「美味しいと言ってくれたら、生産者としてこれほど嬉しい事はないですよ。1年間の疲れが飛んで行きます」と千葉さん。
「その年によって味がいまいち、と思う時でも地元の生産者の人が{本当に美味しい}と言ってくれるのは嬉しいですが、来年はもっと・・・・と逆にプレッシャーを感じます」
スタイルが良く、きれいなゆかりさんも千葉さん以上に強いこだわりを持っている。今年はネットでも販売していきますので、楽しみにしていて下さい。

千葉教さん実直で信念の人

有機JASの玉ねぎ畑

奥様のゆかりさん、部落でも有名な美人です。
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